ごあいさつ
おいしい金沢から – はじめに
「能登半島をめぐるかき氷キャラバン」を運営する”おいしい金沢”と申します。私は石川県のグルメ情報を紹介するSNSアカウントとして 2018年に活動開始。これまで7万人の地元フォロワーの方々に支持をいただいてきました。「能登半島をめぐるかき氷キャラバン」をともに行う”kuramoto ice”ことクラモト氷業の蔵本君とは古い友人関係にあります。こちらでは、このかき氷キャラバンを開始するに至った経緯をお伝えしたいと思います。
2024年1月1日に起こった能登半島地震。石川県の皆様に支えられてきたアカウントとしてはいてもたってもいられない思いに駆られていましたが、発災当時は被災地渋滞が深刻なものとなり、県からの「能登に行くのは控えてほしい」とのアナウンスがあったのもあり、何もできないまま金沢での毎日が過ぎていくことに忸怩たる思いをしていました。
そろそろ能登へ行っても大丈夫かな…と感じるようになった1月末。金沢市八日市の「China Dinning 宮燕」さんが行った能登町の炊き出しに参加したのが、おいしい金沢が能登半島地震のボランティアを始めたきっかけです。

その後はフォロワー数や拡散力の大きさで日本全国だけでなく、海外の皆様からも大変多くの物資をいただき、その都度能登の各地へと届けてまいりました。

かき氷キャラバンを始めたきっかけ
少しずつフェーズが変わっていった2024年5月。現地のなりわい支援が叫ばれ始めたころ、おいしい金沢は「物資支援に代わる何か新しい支援ができないか」と模索していました。そんな中、友人でもあり石川県を代表する製氷会社、クラモト氷業の蔵本君に相談をしたのがきっかけで、このかき氷キャラバンが生まれることとなります。

当初は小規模で行う予定でした
「能登に何かしたいと思っていたけど何ができるかわからなかった」初めて私が相談したとき、能登に伝手のない蔵本君はそう話していました。そこからおいしい金沢の相談を快く受け入れてくれ、私が支援でよく行く先でのみ実施をしようとしていた当初の企画。すべて発案者であるおいしい金沢の私費で10件、多くとも20件程度の訪問予定をしていましたが、蔵本君の紹介により新たにアサヒ飲料株式会社 北陸支店様と森永乳業株式会社 北陸支店様と繋がります。
そして、両社からも「能登のために全面的にバックアップします」と心強い言葉をかけていただき、こうしてクラモト氷業の氷とかき氷に使うソース、シロップの無償提供が決まったのです。
SNSと口コミで広がりを見せる訪問先
その後は支援を通じて出会った皆様を通じ、現地の保育園や幼稚園の打診を依頼。快く引き受けてくださった園に次々と訪問予定が決まります。かき氷キャラバンの開始をSNSでも報告をするとそれがさらに拡散され、園同士や地域の繋がりなども経て、続々と他の保育園・幼稚園からもお声をかけていただくようになりました。
また、本企画の実施には石川県氷雪販売業生活衛生同業組合様からの交通費の支援も大きく、最終的には保育園・幼稚園だけでなく各地のイベントなど、計46か所もの場所での実施が実現。まさに”キャラバン”と呼ぶに相応しい、駆け抜けた夏となりました。
忘れられないみなさんの言葉、笑顔

子ども達の無邪気に喜ぶ笑顔や先生方、保護者の方からのお礼の言葉。「能登半島をめぐるかき氷キャラバン」の反響は、携わったすべての関係者にとっても印象深く、貴重な財産となりました。そして、「また来年も来てほしい」という多くの声に応えたいという思いが皆にあり、2025年の開催も全会一致で決まったのです。
いよいよ本年度の実施へ
本年度は昨年行けなかった中能登、口能登エリア、内灘町の追加を予定しています。さらには各地の保育園・幼稚園に加え、児童館や放課後クラブなども対象に。今からみなさんにお会いできるのが楽しみで仕方ありません。今年の夏も、どうぞよろしくお願いいたします。
2024年6月20日 おいしい金沢 飯塚弥
株式会社クラモト氷業 蔵本和彦より
2024年、震災があってから僕のもどかしい思いを吹き飛ばしてくれたのがこの「能登半島をめぐる かき氷キャラバン」でした。かき氷を無邪気に喜んで食べてくれる姿を見させてもらって、逆に僕たちが元気をもらっていました。おいしい金沢さんと一緒に最後までやり遂げることができたことに本当に感謝しています。
僕たちにできることは氷の価値を最大化してお届けすることです。その中の一つにかき氷があり、子どもたちに美味しいかき氷を食べてもらうことで、これから元気に夢を持って過ごしてもらえればと願っています。子どもたちには「おおきくなったらかき氷やさんになる!」なんて言葉ももらったりして、本当に嬉しく思っています。
本年度はアサヒ飲料様、森永乳業様、石川県氷雪販売業生活衛生同業組合様、池永鉄工様(順不同)といった昨年協力いただいた全ての企業様が「是非今年も続けてください」と言ってくださったことで、開催を実現することができました。
協力してくださる全ての方に感謝をし、今年もたくさんの子どもたちにとっておきのかき氷と笑顔をお届けします。
2024年6月20日 株式会社クラモト氷業 代表取締役社長 蔵本和彦